次世代型 HorliX

現行の HorliX を Mac AppStore からリリースしたのは、2018 年のことだから、かれこれ 5 年前のことになる。

売れ行きも評判も上々で気を良くしていたんだが、すぐに今も続く懸案事項が持ち上がる。

それは当時のアップルが打ち出した

OpenGL の廃止・Metal への移行

という方針だった。

HorliX に限らず、画像系のアプリはほとんど OpenGL に依存していたから、それなりの騒ぎになったことは覚えている。

幸い?すぐに廃止ということにはならなかったが(ちなみに、今でも OpenGL は使えている)、Metal が普及するにつれ、そのパフォーマンスの良さに「移行はやむなし」という雰囲気に変わってきたように思う。

私も、この方針が打ち出された直後、次期バージョンのことを思い浮かべた。

当初は、まずプラットフォームを Qt に移そうかと考えていた。
Qt はかなり早い段階から、Metal 対応を進めていたので、構想としては悪くなかったと思う。実際、試験的にプロトタイプも作成したりした。

ただ、どうしても本気になれなかったのは、HorliX を構成する膨大なライブラリ群もまとめて Qt で面倒をみなくてはならなくなることだった。

何か本質的でない気がした。

Metal への移行が思っていたより緩やかなことがわかってくると、アプリの Metal 対応は次第に考えなくなっていった。

ここ数年はそんな感じだった。

ところが、別件で画像処理関係で Metal を触ってみると、意外に扱いやすいことがわかってきて、HorliX 云々は別にしていくつか試験的なコードを書いてみた。

例えば、2D ビューア。

3D ビューア。

機能を豊富に盛っているわけではないが、最低限のラインはできているんじゃないかと思う。

当初は何かに使うという予定はなかったが、Metal による 2D や 3D 画像の取り扱いに慣れてくると、「これらを使って、次期 HorliX (PHORLIX と呼んでいる)できるのでは?」と思うようになった。

ここからの話は長くなりそうなので、いったん切ります。

 

PHAZOR と私 〜自己紹介に換えて〜

新潟県で生まれました。
地元の公立小中学校を経て、県立新潟高校というところで学びました。
筑波大に入学して物理学を専攻。学部4年の頃より新技術事業団(の某 ERATO プロジェクト)に出入りさせてもらって研究開発の手ほどきを受けました。主に走査型トンネル顕微鏡の開発とその応用分野に携わりました。

社会人時代は、研究開発・システム構築・知的財産権管理・新規事業立ち上げ業務などに従事。

社会人として一区切りついたところで横浜市立大医学部医学科に入学、医師免許を取得。

その後は、都立松沢病院・横浜南共済病院・多摩小児総合医療センターなどで精神科医として臨床に従事していました(現在も続けています)。
精神保健指定医。
「お茶の水バレークリニック」(精神科・心療内科)元院長。
千葉に同姓同名の小児科の先生がおられますが、私の専門は精神科で別の先生です。なお、姻戚関係もありません。

日本精神神経学会 ECT・rTMS等検討委員会委員。