開いたイルカ

「開いたイルカ」プロジェクトだが、Next の件で今度こそ本当に終わった感が出てきた。

ちょっと思うことなど。

妙に心に残る記事

『イルカは言葉を覚えたか?』

イルカに興味を持った当初、なんでこの記事が関係者から評価が高かったかわからなかった。

総括的な文章で言えば『OpenOcean 怪文書 -GPL 誤用による違法行為教唆-』などはよくまとまっているし、教育的な意味では『OpenOcean/Dolphin と職務著作と GPL』なんてネット全体で見てもかなり上位にくるコンテンツでしょう。

そういった王道の実用的な文章とは違う。
この文章が人を惹きつけるのは、空気感というようなものだろう。

全体的に派手な強い調子はなく、実際、導入部には素朴な推測と印象を置いている。

私もこの記事を書いている最中にそういう気分になったのだが、「彼ら」と対話する気が起きなかったのではないかと推測する。
明らかな事実誤認は指摘しておく必要あるが、変なリアクションされても困るし・・・といった風に。

「彼ら」という表現に微妙な緊張感が漂うが、それ以外は、いたって普通の導入部だ。
この後に、暗号化と符号化に関する議論と真正性に関するかなり具体的な議論が続く。
が、技術に走ることはない。
そしてクロージングに進むにあたって印象的なフレーズが飛び出す。

それは異世界の生物が突如として覚えたての人語を話すような状況に似ている。
言っていること自体は理解できるのだが、内容が奇異でコミュニケーションをとるところまでは至らないといったような。

異世界の生物が突如として覚えたての人語を話すような状況

これだろう。
私も今回の件を横目でチラチラ見ていて、ほぼ上のような感想を持った。

この記事で言うところの X 氏の行動が本当にわからなかった。
例えば、皆川氏のプロジェクトへの貢献は、当初はかなり否定的だったはずだが、最後には皆川礼賛に変わっている。
論理で意思を決定する人間は普通こういう風に評価を変えない。
「異世界の生物」という表現は言い得て妙だ。

で、最後は

そしてその中の人の一人が今どのような取り扱いになっているかは周知のことだろう。

「イルカも鳴かずば、撃たれまい」なのだ。

と民話や童話を想起させる一文で締めると。

うまいな。

 

OpenDolphinNext

以前にちょっぴり取り上げた OpenDolphinNext だが、結局、開発中止になったようです。

ちょっと目を話した隙に・・・。

ああ、なるほど、そうなっていたんですか。

これ、興味深いのは、開発者および支援者は中断の理由を「規制のせいで断念せざるを得なかった」と社会的な事柄に結びつけているが、玄人筋は「そもそも半年以上かけてウェブアプリとしても成立していないのだから、中断は妥当」と技術面に結びつけているところでしょうか。

A 先生=猪股弘明氏?

ところで、開発中止の告知がんされた Zenn の記事眺めていて、「A 先生=猪股弘明氏」かな?と思ったのだが、違うようです。
ご本人が ORCA ML と X ではっきりと否定していました。

確かに

・OceanMini の WebORCA 連携先はデフォルトで WebORCA 公開サーバと接続する

という事実はあるのですが、

ORCAのAPIは、公式ページで公開されています。
ですが、この中にマスタデータを取得するAPIはありません。

マスタデータ取得用の隠しAPIとなっており、一般公開はされておらず、日医標準レセプトAPI協議会へ参加することで参照することができるようです。

ですが、このAPIの仕様を回避する方法があります。

WEB ORCAでは公開されていないようですが、オンプレでORCAを利用すると、PostgreSQLのデータベースコンテナが立ち上がります。
このコンテナからデータベースを直接読み出すことで、マスタデータとして利用することが、一応可能です。

クラウドにデプロイして運用する想定だと、素直にAPI通信したほうがいいと思いますが、、、

OpenDolphinNextでは、データベースをアップロードする仕様を暫定的につくったところで、終わってしまっています。

あたりの記述はとても猪股氏が言ったことのように思えず、違和感を感じていました。

しかし、上記の説明はちょっと理解しにくいですね。

・データベースコンテナを抱えている WebORCA は公式には存在しない

と認識していますし、仮にそのような ORCA があったとしても

・データベースをアップロードするのがなぜこの課題を解決することにつながるのか?

の説明に論理的飛躍があるように思えます。

OpenDolphin is finished?

一説によるとメドレーの OpenDolphinPro がサービス停止になるとのこと。
ドルフィンもその歴史的役割を終えつつあるのかなあと思います。

OceanMini の AI 連携機能

ところで、OceanMini には AI 機能(ollama 連携機能)がデフォルトで実装されているが、現状(v1.1.5)だとモデルは

model: pakachan/elyza-llama3-8b:latest

に固定である。
いわゆるエライザ。サイズが小さい割に医学分野にもそのまま使えて便利ではあった。

テストではこれでよかったのかもしれないが、そこは日進月歩の AI の世界。
モデルをユーザーが選べるようにできると応用が広がる。

先ほどリクエストをコミュニティページで提案してきた。

さて、どうなる。

→ 速攻でモデル選択機能が実装されました。(v1.1.6)

図は https://x.com/H_Inomata/status/2061234405214138651 より

 

 

2026-3

久方ぶりの日記風忘備録。

技術的コミュ障

コミュニケーション障害といえば、理系ヲタの専売特許と思われがちだが、われわれからすると「健常者の人が理系ワールドに踏み入れた時の方がひどい。ある種の人はコミュ障突き抜けて自閉症レベル」という認識だ。

最近だとここで取り上げた人がほぼ自閉症レベル。

もちろん、タームがわからないとか技術的なバックグランドがないので、単に話に乗れないという事態は除外している。

「未知の局面なのに、質問すらできない」・「自分が置かれている状況が理解できずに場にそぐわない言動をする」

あたりが特徴。

成因としては、論理的思考ができないあたりにあると思うが、そういう理論はまたの機会に。

OpenDolphin の次

結局、件のプロジェクトは大した成果も上げられず、開発中止になってしまいましたとさ。

いい話にしようという風潮もありますが、医療情報の実務よりクラスターからはボロクソ言われています。
いわく

「まるっきり、惜しくない」

「技術的な目処など全く立ってもいない」

「素人が素人に相談して解決するわけない」

などなど。

ただあ、個人的には政治的な問題もあったのかな?とは思う。
詳しい話は、これから色々出てくるでしょう。

 

AI(アシスト)製オープンソース電子カルテ

この記事やこの記事で話題になっている「AI(アシスト)製オープンソース電子カルテ」プロジェクトをこっそりウオッチ。

プロジェクトのオーナーは、「バイブコーディングによるオープンソースな電子カルテの制作」を狙ったようなのだが、ここでは「AI(アシスト)製オープンソース電子カルテ」とした。
完全無欠な「AI 製」ではなく「アシスト」付き。
なぜなら、データ構造の基本部分に有識者の助言ががっつり入っているから。

プロジェクト自体は、2025 年 11 月頃から始まったようなのだが、2026 年 3 月の時点で、テストの類は一切できていない。

この業界に慣れた人なら、「ああ(察し)」となると思う。

実際、kamuiOS だとか multi-agent-shogun とか流行りのツールを導入するのにほとんどのエネルギーを注いでいる。
「オーケストレーションを上手く組めば、アプリはできる」という信念があるんだろうな。
もちろん、現状の LLM の性質からしてオーケストレーションを工夫したからといってアプリができるという保証はない。
ここら辺の思考は謎だ。

たまにチェックしていこうと思う。

これ、仮に動いたところで、その瞬間に本家の方々がデータ互換性を持ったバージョンを公開すると思うので、普及する可能性は限りなく低いです。

参考

『バイブコーディングで電子カルテはできまぁす!』さすがです。